小豆島八十八ヶ所 霊場紹介

第40番 ほうあんじ 保安寺

寺院

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御詠歌 み仏のみ手にひかれてゆく人の保つに安き心なるらん
御本尊 十一面観世音菩薩
御真言 オン マカ キャロニキャ ソワカ

 当山は保安寺(ほうあんじ)と号し、山を背の高い石垣に一文字に向い、土壁を引き、城造り形式で、坂道を登り石段を上ると鐘楼門、白梅の奥に唐破風の玄関、客殿は入母屋造り本瓦ぶき、右に離れて一段高く寄棟造りの本堂と配置され、客殿裏には枯山水の羅漢造りの築山がある。当山の歴史は、弘仁年間に開創。その後、後伏見天皇の御代、正安二年(一三〇〇)、善朝上人が中興開山された。御本尊は行基菩薩の作。
 当山に、「鐘の緒の戒め」という話がある。「大正六年三月二十六日午前七時頃、岡山県久米郡より十一人のお遍路が参詣。本堂で読経の後、その中の十九歳の娘が帰り鐘をつこうとした。すると急に髪の毛が鐘の緒に巻きつき、全身がふるえ、歯をくいしばる。同行の両親が離そうとするが離れない。同行の遍路は驚き、住職は御本尊に祈願した。やがて三時間後に娘は意識を取り戻し、両親にことの次第を打ち明けた。それによれば、娘は巡拝中に盗の罪を犯したのであった。両親は娘の言葉を聞いて頭をたれ、実は父もかつて盗の罪を犯したと告白する。親子ともども真心こめて御本尊に懺悔し、今さらながら大師の戒めの厳しさに深く反省し、その髪は当山に奉納された。そして、親の因果が報いとなって現れることを知る。」
 当山では「鐘の緒の戒め拝観所」を開き、巡拝者は申し込めば拝観することができ、巡拝者の言動に警鐘を与える関所になっている。
 年中行事「諸病きゅうり加持」
 毎年七月、八月の土用丑の日に行う当山独特、島内唯一の行事で、弘法大師によって中国から伝えられたといわれる。百年余り続いており、島内はもとより、山陽、山陰、兵庫、京阪神等から多数の参拝者でにぎわう。あらゆる病に御利益があり、数々の御霊験を授かる者多し。
(朱鷺書房発刊の『小豆島八十八ヶ所』より抜粋)

名称 第40番 保安寺(ほうあんじ)
住所 〒761-4302 香川県小豆郡小豆島町蒲生1277 GoogleMapで見る
電話番号 0879-75-0247
FAX番号 0879-75-2025
納経所 40番保安寺、41番佛谷山

第40番 保安寺の富士桜

野生種。富士山周辺やその山麓、箱根近辺に自生。
ハコネザクラ、マメザクラとも言う。花の時期は3月下旬から。花弁は五枚一重で、色は白か薄紅色。花は1cm~2cm。他種と違い下向きに花が咲く。