お遍路の心得

『十善戒』を実践する

小豆島を廻る遍路行の間には、守るべき事柄や作法が長い歴史の内に備わってきました。
まず参拝者の心得として『十善戒』という仏様への「10のお誓い」をたてて、こころ清らかに参拝いたしましょう。

『十善戒』とは

不殺生(ふせっしょう)
あらゆる生命を大切にいたします。
不偸盗(ふちゅうとう)
明らかな行いをいたします。
不邪淫(ふじゃいん)
清らかな行いをいたします。
不妄語(ふもうご)
真実の言葉で話します。
不綺語(ふきご)
簡明な言葉で話します。
不悪口(ふあっく)
善き言葉で話します。
不両舌(ふりょうぜつ)
誰にでも同じ言葉で話します。
不慳貪(ふけんどん)
こころに足るを知ります。
不瞋恚(ふしんに)
こころ穏やかに致します。
不邪見(ふじゃけん)
人を正しく信じます。

金剛杖は、洗って部屋のお床に祀る

巡拝中、道中の助けとなる金剛杖は、すなわちお大師さまであるとする思いから、宿屋に着いたならば、まず、杖を洗い床の間に立てかけて祀り、お大師さまをいただく気持ちでひと夜を過ごします。

相互礼拝、相互供養をする

言葉のとおり、お互い遍路行の修行者として、相手を尊重し敬意を払って合掌して挨拶します。

橋の上では杖をつかない

四国遍路の最中、お大師様は、十夜ヶ橋という橋の下でお休みされていたことの故事に因んで橋を渡るときには杖を突かないようにします。

帰り鐘は撞かない

帰り鐘は、出鐘(戻鐘)とも言われ、お葬式の時に用いますので、それを嫌ってのことです。

線香、ロウソクをお寺で用意している所は、それを用いる

それぞれお寺では、そのお寺にあった、大きさのロウソクや線香を用意している場合があります。持参のロウソクが小さすぎてロウソク立てから倒れたりして不慮の事態を起こさないためでもあります。