寒い日のお参り
小豆島に雪が降りました。
ちょっと積もっただけで、傾斜のきつい山寺の車道は滑落の危険を伴います。軽トラだと尚更。こんな日は歩いて山を登ります。
雪が降ろうが雹が降ろうが、それでも何とかしてやってくるお遍路さんはいます。
「大変でしたね。でもきっとお陰がありますよ」
寒い日のお参りは、ふだんのお参りに比べより一層仏様の功徳があると言われます。特に1月5日から2月の初午までの30日間の参詣は「寒参り」といって、お寺や神社でもさまざまな催し事が行われます。
しかし一方で、暑い日のお参りも霊験あらたかだと言われます。これにも諸説あります。
謂われは各々あると思いますが、私が思うに・・・
寒い日のお参りも暑い日のお参りも、ふだんのお参りに比べて、たくさんのエネルギーを費やさなければなりません。体力的にも精神的にも、時間も、場合によっては金銭的にも。でも、それだけの労力をかけて、仏様の前に辿りついた時に感じることは、
「あぁ、よくここまで来られたな。来させてもらえたな。」
そう思って、合わす手には余計な雑念はなく、祈願の前に感謝があり、気持ちがまっすぐ仏に向かうのではないでしょうか。唱えるお経の一音一音も違ってくるでしょう。
車で入口に横付けして、エレベーターで登ってきたら、そんな風に思うことはなかなか難しいのが人間です。
寒い日、暑い日、晴れた日、雨の日、雪の日、お参りする日がどんな日でも、そうした心で臨むお参りは、きっと御利益があると思います。
慈空拝