敬禮三宝 謹賀新年

謹んで新年のお慶び申し上げます。
本年平成28年六十干支は丙申。天の気の丙(火の兄=ひのえ)は火の気、地の気は申の金の気。天地の相性は火と金の火剋金。火は金を溶かしてしまうとし、剋され余り良くない。また二黒土星の年。二黒の土は、一白の水を含み、九紫の火で温められ、柔軟性があり粘り強く、適度に温められ色々な物を産み育てる母なる大地とし、何事にも動揺せず全ての物を受け入れ支え「万物は土より出でて土に復」仏の慈愛もまた同じ、深く深く浸み入る恵み。あまりにも大きな恵に体感すら出来ず、過ぎ流して居ないか。仏が一切衆生に贈り続けている慈悲という光。これを御蔭といい、おかげ様と言うのは常に「かげ」と成って居て目に見えない。各々の持つ仏心にしか感じ得ることが出来ない。摩訶不思議。
 正しい知恵を持ち、自分の事と考え他の生きとし生けるものの幸せをもたらし、自身の為に仏性の実践を行おうとする心。仏に向かおうとする心を菩提心と言い、その心を発す事が第一の出発点であるとする。

「オン ボウジ シッタ ボダハダヤミ」

仏と行者の一体観、入我我入し、一切衆生は本来、仏で有るとの教えから自心の仏性を開花させるとする。

「オン サンマヤ サトバン」

この意を以て説かれる御真言を唱えたならば既に、具現し仏果と繋がり、厚く蔽った雲を祓い本有の仏身の存在に気付くことでしょう。
 弘仁5年大師御開創、江戸初期17世紀後半には小豆島霊場が成立していたとみられ、昭和11年3月1日発行の小豆郡誌第1続編には、「大正2年郡保護ノ下ニ霊場会ヲ組織シ各官衙寺院町村等郡内各機関ノ総動員ニテ其ノ発展ニ努メ来リシ・・・。」云々とあり、小豆島霊場会としても103年を迎えます。移り変わる時代の中、法灯連綿として大師の教えを説き導かれ御蔭を頂きながら今日が有り、明日に繋げ御仏との縁を結縁を尊び、逆打ちの功徳も伝えられる中、更に大きく広く潤いの有る年で有ります様願い、霊場興隆、巡拝者の講中安全、無魔成満を厚く祈念致します。
 霊場寺院諸大徳様、霊場協会会員様、公認団体地区委員様、各団体先達様、島内外の関係者の皆様、これまで以上に御指導、御協力の程、宜しく御願い申し上げます。
                                      合掌

                       小豆島霊場会 会長
                        第72番 瀧湖寺住職  宮田和生