ふれあい徒歩大巡行
恒例のふれあい徒歩大巡行が上記の日程にて開催され、のべ二六七名が霊場の各札所を巡拝しました。
昨年までは春秋の二回、各々八コースを巡っていましたが、今年から大幅にリニューアル。二月から毎月の四回、各コースの行程はそのまま、二コースずつの開催となりました。
八コースでの開催のためには先達を務める霊場寺院の正副住職が最低八人は必要なのですが、日曜開催ということで自坊の法務が入ることも多いですし、そもそも体力的に歩き遍路は無理だという方もいらっしゃって、毎回全コースに寺院先達をつけるのが難しく、同様に全コースの伴走車・送迎バスを確保することも難しくなってきた状況がありました。
また以前より参加者からは、年に二回欠かさず参加しても全コースを満願するには四年かかるので、もう少し早く巡れるようにしてくれないだろうかという要望もあって、この度の変更となった訳です。
さて、今回私が先達として参加したのは五月十二日開催の保安寺出発の⑧コース。四十名超の参加があり、私と誓願寺・長浜長勝寺の寺院住職三人で先達を務めました。
どのコースにも一か所は難所が入るよう設定されていますが、このコースは最初がいきなり難所です。保安寺脇からの険しい山道を仏谷山目指して登って行きます。仏谷山に辿り着くと洞内にて住職がお出迎え、護摩行とご法話をいただきました。小休憩の後は、次の西の滝を目指して再び山道に入っていきます。
西の滝を参った後は、山を下って林庵・松風庵・光明寺・釈迦堂と打って、明王寺にて昼食。食事をとり、しっかり英気を養って、午後からは一路、地蔵寺堂・浄土寺に向かって峠を越えていきます。浄土寺の後は、湯舟山そして栂尾山へ。小豆島霊場の特色の一つとして、岩場や洞窟等に在る山岳霊場が挙げられますが、このコースでは午前の仏谷山・西の滝に加え、この二ヶ所、計四ヶ所の山岳霊場を巡ることになります。栂尾山から毘沙門堂へと下り、さらに下って多聞寺にて本日最後のお勤めをして打ち止め。
途中伴走車に乗る方もいましたが、皆怪我なく無事に遍路行を終えることが出来ました。そして今回は先達が三人いる強み、一人だと常に先頭を歩きながら全体にも目を配らなければなりませんが、途中先頭を交代しつつ、余裕をもって参加者に話をしたり、聞いたりと、名の通り「ふれあい」の徒歩大巡行となったと思います。
松林寺 長谷川恵淳 (遍照第172号より抜粋)