お遍路さんが来た!

つい先日こんなことがありました。

お寺で働いているおばちゃんが「お遍路さんが来た!」と本堂に走って行きました。
しかし、本堂には一向に誰も参りません。

確かに橋の向こうに人影が、白いマイクロバスも止まっているのに・・・・・ん?よく見てみると何か違うような・・・


待て待てあれは人じゃない。案山子(かかし)や!
バスと思ったのも、白色の納屋。

と冗談みたいな本当の話です。

只今開催中の瀬戸内国際芸術祭2013に合わせて、11番観音堂の辺りから、9番庚申堂、8番常光寺、7番向庵、10番西照庵辺りまで、等身大の案山子がたくさん置かれています。

そもそも、どうして案山子が立ち並びだしたかと言うと、畑の中におじいさんとおばあさんの案山子がまずありまして、それがとても精巧にできているので、そのクオリティのものをたくさん作れば、観光客やお遍路さんがこの近辺を楽しく散策してくれるのではないか、といったお接待の精神からでした。
そして案山子作り名人の指導の下、地域の人が協力してたくさんの案山子が作られました。

ちなみに、そのオリジナルのおじいさんとおばあさんは、現在は庚申堂の直ぐそばに置かれておるのですが・・・

「深夜なのに、畑にずっとおじいさんとおばあさんがいる」

と通報した人がいたらしいです。
ホンマかいな?と思うような話ですが、それくらいリアルなものがあります。

かく言う私も、早朝犬の散歩の途中、向庵に立ち寄って、本尊に手を合わせ顔を上げると、真っ白な顔の作業服の男性が横たわっていて全身総毛立ったことがありました。
他にも「轢きそうになって急ブレーキかけた」とか「怖くて子供が泣き出した」とか何かと話題に事欠きません。

そんな笑い話?に尽きない、苗羽地区の案山子群。
お参りついでに、どうぞ楽しんでいってください。

慈空拝


オリジナルのおじいさんとおばあさん案山子