ふれあい徒歩大巡行に行ってきました

遠方に見えるのはエンジェルロード


炎天下の日差しの中、第32回ふれあい徒歩大巡行に行ってきました。

私の担当するのは池田の保安時から中山経由で肥土山の多聞寺まで歩く、総延長15kmの第8コース。参加者は32名でした。
参加人数は多いときで50名を越えることもありますが、20〜30名くらいが統率がとれて目の行き届くちょうど良い人数だと思います。今回はちょうど良い感じでした。

8コースは、保安寺を打った後、いきなり佛谷山まで登ります。まだ身体が慣れていないうちに、ガツンと負荷がかかり、日差しもきつかったのですぐに汗だく状態になりました。でも、予報では雨だったのが、晴れてくれたので文句は言えません。
佛谷山ではお勤めと共に護摩行を、続く西ノ瀧でもお勤めの後に大般若をしていただき、とても有難いお参りができました。歩いて来たからこそ、より一層そう思えました。


佛谷山での護摩行の様子

西ノ瀧での法話の様子

西ノ瀧からは一転、急降下で林庵、松風庵、光明寺、明王寺と海抜ゼロ地点まで下りてきました。登るのも大変ですが、下りも膝に負荷がかかり疲れます。しかし、それが小豆島遍路の醍醐味と言えるでしょう。

明王寺で昼食をいただき、今度は峠越えをして中山方面に向かいます。


明王寺のトイレ前にあるサクランボが絶品でした

普段車で行けば何でも無い道も、歩くとなると全く違う顔を見せるのが小豆島の道です。なだらかな登りが、固い舗装路の地面と相俟ってボディーブローのようにジワジワと疲労を蓄積させます。

ようやく浄土寺に着いたと思っても、そこからまた湯船山まで登りが始まります。登って下りて登って下りてまた登って・・・
湯船山に辿り着いて、眼前の越えてきた山を見ると、「よくここまで来られたものだ」と少し感動。水が張られた美しい棚田の景色に癒されて、心がどんどんピュアになっていくようでした。

湯船山から栂尾山に向かう道からは、棚田の絶景が一際美しく見渡せます。しかし、この道は歩き遍路でもしない限り歩かない道です。参加者の中には、島内の方も半数ほどいらっしゃいましたが、こんな場所があったんだと一同感心。このような場所が自分たちの住んでいる土地にあって感謝感謝です。


棚田の美しい景色

栂尾山から毘沙門堂へ下りていく遍路道も、木漏れ日の新緑の中を歩く気持ちの良い道で、最後まで楽しく歩けました。
多聞寺では、今日一番の大声でお経の大合唱が肥土山の田園に響き渡りました。

私が先達をする場合、できるだけ歩き遍路道を選んで歩き、なるべく伴走車による送迎を使わないように心懸けています。なので参加者にとっては厳しい道程になります。それでも、1人の脱落者もなく、怪我無く、事故無く、全員が無事成満できました。
どれもこれも素晴らしい小豆島の道が疲労を最小限に留め、美しい景色が心を癒してくれたお陰だと思います。

小豆島は巡拝ができる聖地であり、それが奇跡的なほど保全されている希有な土地です。島外の人はもちろん、生粋の島っ子も知らない、そうした事実に気づく機会として、この行事の価値は絶大であると再確認した1日でした。

慈空拝


湯船山からの遍路道