縁起によれば、寺は弘法大師によって開かれ、ご本尊の十一面観音菩薩も大師が刻まれたのである。
その後、慶長年間に再興され、さらに文化年間の建物が現在に至っている。
宝永六年(一七〇九)七月、豊前小倉の藩主小笠原備中守が、江戸より参勤交代の帰途、坂手港の沖で難船し、藩主を始め家老三十二名が溺死。村人が総出で生存者を救出、小倉に飛脚を出して、実に二十二日目、その引取りを終わったのである。当時の小庄屋が恩賞の扇面等を残している。
観音寺は、海を望む展望の広い境内であり、島の東南隅に位置しており、坂手港のすぐそばである。この陽の方角から右周りに八十八ヶ所が配されている。
京阪神のお遍路さんの多くは、坂手港に上陸して、まず観音寺より打ち始める。神戸港と坂手港を結ぶフェリーは、季節により運行ダイヤが変更となるので注意が必要だ。
第一番洞雲山の本坊であり、隼山はこの寺の奥之院に当たる。所管一切の世話を行っており、納経・御朱印はこの寺で受け付けている。
(朱鷺書房発刊の『小豆島八十八ヶ所』より抜粋)
名称 | 第3番 観音寺(かんのんじ ) |
---|---|
住所 | 〒761-4425 香川県小豆郡小豆島町坂手甲589 |
電話番号 | 0879-82-0685 |
納経所 | 第1番洞雲山、第3番観音寺、第3番奥の院隼山、第5番堀越庵、第6番田ノ浦庵、第86番当浜庵 |
第3番 観音寺の松月
花びらは薄い紅色で、花の端が赤く中心は白くなる。