当山は海抜五百メートルの高山で、小豆島霊場最高の霊地にして、山に至れば霊気身にしみて登仙の気ありと。今は自動車道路にて参拝に便利となった。
　奇巌が屏風の如くそそり立ち、その下に二窟あり。一は慈悲窟にて安産延命地蔵菩薩（伝行基作）を安置し、子授石は不妊の女性の救い仏で、多くの夫婦が子宝を授かり、成長智恵福徳の利益あり。一は降魔窟にて立像の不動明王を奉祀し、護摩火焔の煙は洞内を覆い、誦ずる般若心経慈救咒の音声はあらゆる悪鬼悪魔を退散せしめ、難病諸悪を除き寿命長遠の利益を叶えしむと。
　境内に四国西国札所百十体の石仏が祀られ、右手の石門を抜けて難行場に到れば、直下何十丈の絶壁なり。これを経て清滝権現社に参ず。
　地蔵堂の右上に霊泉御加持水ありて、諸人お水を頂きて身心壮快となり、諸障を除く利益大なり。
　なお、洞窟入口に福壽大黒天尊像を祀る。また、境内西に信者奉納一万体不動尊の親不動明王（高さ十メートル）が奉祀されている。
　山口草堂の次の一句あり。
「ほとゝぎす　清滝山寺　雲深し」
(朱鷺書房発刊の『小豆島八十八ヶ所』より抜粋)

名称	第14番 清滝山（きよたきさん ）
住所	〒761-4411　香川県小豆郡小豆島町安田乙18-3
納経所	第13番栄光寺にて受付

第14番 清滝山の淡墨桜

花は白色。白い花と黒い枝からその名がついたとされる。