フェリーの船中、福田庵に参る途中から、雲海寺を見ることができる。石段を登れば、正面に客殿、その右手に本堂がある。
今を去る天平年間、行基菩薩が風浪をこの地に避け、不思議の霊瑞を見て智波羅密菩薩の尊像を刻み開基せられる。
後の大同年間、高祖弘法大師小豆島八十八ヶ所御開創の砌り、密教弘布の道場として第八十四番霊場と定められた。
降りて、寛永年間に至り、法印堪然の時、本尊を作り、前の本尊を秘仏として、この体内に納め、顕密二体より成る一本尊にして「孕み観音」と称せられ、本尊の聖暉を弘布するため「如意輪院」と改称し、一水遠の雲と交わる海鏡は泓澄として日暉を暎する地客に従い「洞口山雲海寺」と改称せられたと今日に伝えられている。
年中行事は二月節分会、二月十四日常楽会、三月十八日~二十四日春季彼岸念仏会、四月八日花まつり、五月一日田中河内介父子法会、九月二十一日永代経など。
(朱鷺書房発刊の『小豆島八十八ヶ所』より抜粋)
名称 | 第84番 雲海寺(うんかいじ ) |
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住所 | 〒761-4402 香川県小豆郡小豆島町福田369 |
電話番号 | 0879-84-2335 |
納経所 | 第82番吉田庵、第83番福田庵、第84番雲海寺、第85番本地堂 |
第84番 雲海寺の祇女桜
花は淡紅色で、花びらは約14枚。花期は4月中旬ごろ。