小豆島八十八ヶ所 霊場紹介

第58番 さいこうじ 西光寺

寺院

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御詠歌 にごりなく 心の水を 澄ましなば むねのはちすの 花もひらかむ 
御本尊 千手観世音菩薩
御真言 オン バザラ タラマ キリク

 小豆島の西の玄関、土庄港からほど近く世界一狭い海峡「土渕海峡」によって隔てられた南の部分、前島に西光寺は位置する。島の風物詩となっている「大師市」は、春と師走の二回、弘法大師の縁日である二十一日に西光寺の門前で開かれ、多くの参詣人で賑わいを見せている。
 山門は、弘法大師千百五十年御遠忌を記念して立て替えられた朱塗りの鐘楼門で、「四恩の門」と名づけられている。境内の大銀杏は樹齢二百五十年以上といわれるご神木で、黄金色に紅葉した姿は一見の価値がある。種田山頭火もこの木を俳句に詠んでいる。
 本堂の地下には「戒壇めぐり」が設けられており、大師をお祀りしている。その名の由来は、弘法大師が般若心経の功徳を説かれた『般若心経秘鍵』から来ている。嵯峨天皇の御代、京の都に疫病が流行り、それを鎮めるために般若心経の功徳の様をお大師さまが講話したもの。剣を持ったお姿は即身成仏された有り難きお姿である。また、秘鍵大師から誓願之塔へ続く洞窟の階段には、生まれ歳の干支の守り本尊が祀られ「えと霊場」となっている。
 寺宝には弘法大師の御衣がある。遙か昔から連綿と毎年高野山で続けられている「御衣替えの儀式」。そこで献上された御衣は、一年間お大師さまに奉安される。当山の御衣は、その御衣が江戸時代に下付されたものである。
 当山はまた、流転の自由律俳人、尾崎放哉ともゆかりがある。二十六世宥玄は、同じ『層雲』の同人であった放哉を奥之院「南郷庵」の庵主として庇護したが、放哉は四十二歳で早世した。「咳をしてもひとり」。
(朱鷺書房発刊の『小豆島八十八ヶ所』より抜粋)

名称 第58番 西光寺(さいこうじ )
住所 〒761-4106 香川県小豆郡土庄町本町銀杏通 GoogleMapで見る
電話番号 0879-62-0327
納経所 第58番西光寺、第58番奥之院誓願之塔、第59番甘露庵、第60番江洞窟、第61番浄土庵、第62番大乗殿、第63番蓮華庵、第64番松風庵

第58番 西光寺の千原桜

花は白色の5弁で、花柄がやや長く、下垂して咲く。